界面活性剤関連用語の解説

アジュバント(農薬用) (adjuvant)

農薬製剤中農薬以外に分散、乳化および薬効向上などの目的で用いられる助剤。


アスファルト乳剤 (asphalt emulsion)

乳化剤を用いてアスファルトを水中に分散した液体。アスファルト乳剤を使用すれば道路舗装などを、加熱せずに施工できる。


アスファルトはく離防止剤 (asphalt anti-stripping agent)

舗装用アスファルトと骨材との接着性を向上させる薬剤。通常カチオン界面活性剤が用いられる。


圧延油 (rolling oil)

金属材料を圧延加工するとき、潤滑性を向上させるために用いられる油剤。


アニオン界面活性剤 (anionic surface active agent)

水中でイオン化し、界面活性を示す部分が陰イオンである界面活性剤。陰イオン界面活性剤ともいう。


編み立て油剤 (knitting oil)

編み立て工程において繊維と金属との摩擦を調整し静電気の発生、糸切れを防止するために用いられる油剤。


アルキルフェノール (alkylphenol)

ベンゼン核の水素原子の1個を水酸基、残りの水素原子の1個以上をアルキル基で置換した化合物。主として炭素数8または9のアルキル基1個で置換したものはノニオン界面活性剤の原料として用いられる。


アルキルベンゼン (alkylbenzen)

ベンゼン核の水素原子の1個以上をアルキル基で置換した炭化水素類の総称。主として炭素数12のアルキル基1個で置換したものはアニオン界面活性剤の原料として用いられる。


アルファオレフィン (α-olefin)

末端の炭素−炭素結合が二重結合である炭化水素。炭素数が10〜20の混合物はスルホン化、中和してアニオン界面活性剤として用いられる。


(foam)

起泡と泡まつの両方の意味に使用される総称。


泡安定剤 (foam stabilizer)

起泡安定剤と同じ。

EOR(イーオーアール) (enhanced oil recovery)

地下の油層に界面活性剤、ポリマーなどを圧入したり熱を加えることによって残っている原油をとりだすこと。原油の二・三次回収、または三次回収ともいう。


移染防止剤 (migration proofing agent)

染色した染料が、繊維上の他の部分へ移行することによる色むらを防止する薬剤。


陰イオン界面活性剤 (anionic surface active agent)

アニオン界面活性剤と同じ。

AE(エーイー)剤 (air entraining agent)

コンクリートなどの中に多数の微細な気泡を均一に分布させるための混和剤。空気連行剤ともいう。


液体洗剤 (liquid detergent)

製品形態が液体の洗浄剤。狭義には、粉体の衣料洗剤に対比して、液体の衣料用洗剤をいうことがある。


エチレンオキシド (ethylene oxide)

で表わされる化合物。エチレンの酸化で得られ、ノニオン界面活性剤の原料として用いられる。酸化エチレンともいう。


HLB(エッチエルビー) (hydrophile lipophile balance)

界面活性剤の親水性と親油性(疎水性)の程度を表す尺度。親水性が強いものほど値が大きい。親水性親油性比と同じ。


エトキシル化 (ethoxylation)

活性水素をもつ化合物にエチレンオキシドを反応させ、(C2H4O)nHを導入する反応。


エマルション (emulsion)

互いに溶解しない二液体の一方が微粒子となって他方の液体に分散した系。

オイリング剤(繊維用) (oiling agent)

繊維加工において繊維と繊維、または繊維と金属の摩擦を調整し、静電気の発生を防止し、かつ繊維の柔らかさを調整する薬剤。


O/W(オーダブリュー)型 (oil-in-water type)

水中油型と同じ。

カーディング油 (carding oil)

羊毛のそ毛紡績のカーディング加工において、金属−繊維間の摩擦を調整し、静電気の発生を防止し、かつ繊維の柔らかさを調整する薬剤。


解乳化剤 (demulsifier, emulsion breaker)

乳化破壊剤と同じ。


界面活性 (surface activity)

界面に吸着が起こって界面張力を低下させるなど界面の性質を著しく変える性質。


界面活性剤 (surface active agent, surfactant)

分子中に適当な親水基と親油基をもち、液体に溶けて低濃度で界面活性を示す物質。


界面張力 (interfacial tension)

単位面積当りの界面自由エネルギー。


加脂剤 (fat liquoring oil)

なめした革に用いて、革繊維の固着を防ぎ、柔軟性、弾性などを高める薬剤。


カチオン界面活性剤 (cationic surface active agent)

水中でイオン化し、界面活性を示す部分がカチオンである界面活性剤。陽イオン界面活性剤ともいう。


家庭用洗剤 (household detergent)

家庭で用いられる洗剤で、衣料用、台所用、住宅・家具用などがある。


可溶化 (solubilization)

溶媒に難溶な物質が、界面活性剤のミセル中に溶解することによって溶媒にとけたようになる現象。


可溶化剤 (solubilizing agent)

界面活性剤など可溶化のために用いられる薬剤。


緩染剤 (retarding agent)

染色速度を緩やかにし色むらを防止する薬剤。

起泡安定剤 (foaming agent)

安定な泡を立てるために用いられる薬剤。界面活性剤やたん白質が用いられる。


起泡力 (foaming power)

溶液に攪拌などの外力を加え比較的安定な泡を作らせる能力。界面活性剤の代表的な能力の一つ。


起泡力試験 (foaming test)

溶液の起泡力を、攪拌したり、気体を吹き込んだりして測定する方法。ロスマイルス法は代表的な例。


逆ミセル (reversed micelle)

有機溶媒中で水中とは逆に、親水基を内側に疎水基を外側に向けて集合した界面活性剤分子の集合体。


逆性石けん (inverted soap, cationic soap)

カチオン界面活性剤の別名。水中で界面活性を示す部分が通常の石けんとは逆の正荷電をもつのでこの名称が用いられる。殺菌剤として使用されることが多い。


キャリア(染色用) (carrier)

疎水性繊維を分散染料などで染色するとき、繊維を膨潤して染料の繊維内拡散速度を高めて促染効果を与える染色助剤。


起毛助剤 (raising agent)

布面から毛羽をかき出しやすくするために摩擦の調整および静電気の発生を防止するために用いられる油剤。


吸着 (adsorption)

気相、液相中にある物質が、その相と異なる相(固相、液相)との界面において相内部の濃度と異なる現象。


給油剤 (textile lubricant)

繊維加工工程に用いられる紡糸油剤、紡績油剤、編立油剤などの総称。


凝集 (flocculation, aggregation)

コロイド状粒子などが媒体中に互いに付着し合い、大きな粒子に変化する現象。


凝集剤 (flocculant)

凝集を容易にするのに役立つ薬剤。凝結剤ともいう。


極圧添加剤 (extreme pressure agent)

境界潤滑における摩擦面間の油膜強度を増し、摩擦面間の焼付け防止のために用いられる薬剤。


極性基 (polar group)

分子に大きな双極子モーメントを与える原子団。アミノ基、カルボキシル基、水酸基などがその代表的な例。


キレート化剤 (chelating agent)

キレート結合によって金属イオンを封鎖する薬剤。


金属イオン封鎖剤 (sequestering agent)

水溶液中で金属イオンと可溶性の錯塩を形成し、金属の活性を抑制する作用をもつ薬剤。


均染剤 (levelling agent, leveldyeing agent)

繊維を均一に染色するために用いられる薬剤。

空気連行剤 (air entraining agent)

AE剤と同じ。


曇り点 (cloud temperature, cloud point)

ノニオン界面活性剤水溶液の温度を上昇させたとき白濁し始める温度。通常は白濁し相分離がおこる。曇点ともいう。


クラフト点 (Krafft temperature, Krafft point )

界面活性剤の水への溶解度を温度に変えて測定したとき、溶解度が急に大きくなる温度。


グリコール (glycol)

1分子内にOH基2個を有する二価アルコールの総称。エチレングリコール、プロピレングリコールに限定使用されることが多い。


グリセリン (glycerin(e), glycerol)

CH2OH・CHOH・CH2OHで表される代表的な三価アルコール。天然油脂の加水分解または合成によって得られる。グリセロールといわれることもある。


クレンザー (cleanser)

ベントナイト、けいそう土などの研磨剤に少量の界面活性剤を配合した洗剤。

軽質洗剤 (light duty detergent)

軽い汚れの繊維、または洗濯機などの機械的な力をかけないほうがよい絹、毛などを手洗いするときに用いる合成洗剤。主として中性洗剤である。


化粧石けん (toilet soap)

洗顔、手洗い、身体洗浄などに使用する石けん。石けん素地を乾燥し、香料などを混練し、押出機で成形する機械練石けんと、枠に流し入れて固化させる枠練石けんとがある。


減水剤 (water reducing agent)

コンクリートなどの単位水量を増やすことなく、流動性をよくするか、流動性を変えることなく単位水量を減らすために用いられる混和剤。


減摩剤 (lubricant)

金属加工、繊維加工などの際に摩擦を減少させるために用いられる薬剤。

高級アルコール (higher alcohol)

炭素数8以上の脂肪族一価アルコールの総称。天然油脂を原料とするものと石油化学製品を原料とするものがある。


高級アルコール系洗剤 (detergent prepared from higher alcohol)

高級アルコール系界面活性剤を主成分とする洗浄剤。通常は高級アルコールまたは高級アルコールエトキシル化物の硫酸エステル塩を主成分とするものをいう。


工業用石けん (industrial soap)

繊維工業、機械・金属工業、合成ゴム工業などの諸工業分野で用いられる石けん。


工業用洗剤 (detergent for industrial use)

繊維工業、機械・金属工業、合成ゴム工業などの諸工業分野で用いられる洗浄剤。


硬水 (hard water)

カルシウム、マグネシウムなどの塩類を比較的多量に含んでいる水で、一般には酸化カルシウムとして100mg/L以上含む水をいう。


抗乳化剤 (demulsifier, antiemulsifier)

潤滑油など水に不溶性の油に添加し、水によるエマルションの生成を防止する薬剤。また乳化破壊剤と同じ意味で用いられることもある。


合成洗剤 (synthetic detergent, syndet)

石けん以外の、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルファオレフィンスルホン酸ソーダなどの合成により製造された界面活性剤を主成分とする洗剤。


コーニング油 (coning oil)

糸をコーンに巻くとき潤滑の目的に用いられる油剤。


高分子界面活性剤 (high molecular surfactant)

比較的高分子量の界面活性剤。


COM(コム) (coal oil mixture)

微粉炭を重油に混合分散、安定化させた液状化燃料で、分散、安定化のために界面活性剤が用いられる。


固結防止剤 (anticaking agent)

粉末、粉状物質が吸湿、加圧などで固まるのを防ぐ薬剤。肥料などには界面活性剤が用いられる。


コンクリート流動化剤 (superplasticizer)

主としてレディミクストコンクリートに用いられ、減水性とスランプロス防止性の機能を持つ混和剤。


コロイド粒子 (colloidal particle)

粗大な粒子と分子の大きさの中間に位置し、1µm〜1nm程度の大きさを有する粒子の総称。

再汚染防止剤 (anti soil redeposition agent)

繊維を洗浄するとき一度除去された汚れが再び付着するのを防止する目的で洗浄剤に配合される添加剤。


サイズ剤 (sizing agent)

紙を適度に疎水化し、筆記時のにじみを防止したり紙の加工工程での吸水性を調整したりする目的で製紙工程に用いられる薬剤。


サスペンション (suspension)

懸濁と同じ。


殺菌剤 (disinfectant, germicide)

バクテリア、かびなどの菌類の繁殖を防止し、死滅させる薬剤。


酸化エチレン (ethylene oxide)

エチレンオキシドと同じ。


酸化プロピレン (propylene oxide)

プロピレンオキシドと同じ。

cmc(シーエムシー) (critical micelle concentration)

臨界ミセル濃度と同じ。


湿潤 (wetting)

ぬれと同じ。


湿潤剤 (wetting agent)

湿潤作用を促進させる薬剤。界面活性剤が用いられる。


CWM(シーダブリューエム) (coal water mixture)

微粉炭を水に混合分散し、安定化させた液状化燃料で、石炭−水スラリーともいわれる。分散、安定化及び高濃度化のために界面活性剤が用いられる。


脂肪 (fat)

油脂のうち固体のもの。また、常温で液体の脂肪油を含めた油脂と同義語として用いられることもある。


脂肪酸 (fatty acid)

カルボキシル基を1個もつ鎖式カルボン酸の総称。狭義には天然油脂を構成する長鎖のモノカルボン酸をいう。


脂肪アルコール (fatty alcohol)

天然油脂またはろうを原料として得られる高級アルコール。


シャンプー (shampoo)

頭髪および頭の地肌の汚れを落とすのに用いられる洗浄剤。


重質洗剤 (heavy duty detergent)

アルカリ性ビルダーなどが配合された、汚れの度合いの大きいものの洗浄に用いられる合成洗剤。


柔軟剤 (softening agent, softener)

織物などの触感を柔らかくするために用いられる薬剤。


縮じゅう(絨)助剤 (milling assistant)

羊毛製品のフェルト生成を円滑にするために用いられる薬剤。


潤滑油 (lubricating oil)

接触する固体間の相対運動を円滑にする油。


蒸解助剤 (digesting assistant)

ケミカルパルプ製造工程において、蒸解作用を促進するために添加される薬剤。


消泡剤 (antifoaming agent, defoamer)

破泡剤、抑泡剤の総称。特殊な界面活性剤やシリコーン油が用いられる。


植物油 (vegetable oil)

植物の種子、果実、核、はい芽などを原料として得られる油脂。


助燃剤 (combustion improver)

燃料の燃焼を促進し、不完全燃焼による油煙の生成を少なくする薬剤。


親水基 (hydrophilic group)

界面活性剤などの分子中で、水によくなじむ官能基。


親水性 (hydrophily, hydrophilic property)

水に親和性を示す性質。


親油基 (lipophilic group)

界面活性剤などの分子中の油によくなじむ官能基。通常は炭化水素基。


親水性親油性比 (hydrophilic-lipophilic balance)

HLBと同じ。


浸透剤 (penetrant)

浸透を促進させるために用いられる薬剤。主として界面活性剤が使用される。


親油性 (lipophilicity, lipophilic property)

油に親和性を示す性質。

水中油型 (oil-in-water type, O/W type)

分散媒(連続相)が水で分散相が油であるエマルションの型。O/W型とも表す。


水和剤 (wettable powder)

水に加えると粒子が水中に浮遊して懸濁液となる農薬製剤の一つ。


スルホン化 (sulfonation)

アルキルベンゼン、オレフィンなどの有機化合物にスルホン酸基(−SO3H)を導入する反応。


スランプロス (slump loss)

混練したコンクリートの流動性が経時的に失われる現象。コンクリートの作業性に大きな影響を及ぼす因子。

清浄分散剤 (detergent-dispersant)

主に内燃機関用潤滑油に添加し、燃料の燃焼などによって副生する酸成分を中和したり、スラッジを分散させたりする薬剤。


精練 (scouring, degumming, boiling off)

繊維および繊維製品に含まれる一次不純物を除去し、正常にすること。染色、漂白工程前の洗浄工程を意味する場合もある。


精練剤 (scouring agent)

精練に用いられる薬剤。


繊維助剤 (textile auxiliaries)

繊維の各種加工工程に用いられる薬剤の総称。


石けん (soap)

高級脂肪酸の塩類。通常はアルカリ塩をいう。


洗剤 (detergent)

固体の表面に付着した汚れに対し洗浄作用をもつ薬剤。主として合成洗剤という。


切削油 (cutting oil)

金属材料を切削加工するとき、金属と工具の摩擦を低減し摩擦熱を除去することによって工具の寿命を延ばし、製品の仕上げ精度を上げるために用いられる油剤。水溶性および非水溶性のものがある。


染色堅ろう度増進剤 (dye fixing agent)

繊維染色物の水、汗、洗濯などに対して堅ろう度を増すために用いられる薬剤。


洗浄剤 (cleaning agent, cleaner)

洗剤と同じ。


染色助剤 (dying auxiliaries)

染色加工において、染着濃度の調整、均染性の向上などの目的に用いられる染料以外の薬剤。


洗浄力 (detergency)

汚れを基質から除去し、これを溶液または分散状態にする能力。


洗毛剤 (raw wool scouring agent)

原毛中の不純物(ウールグリース、スイント、土砂)などを除去するのに用いられる薬剤。


洗濯石けん (laundry soap)

洗濯に用いられる石けん。固形および粉末のものがあり、それぞれに無添加品と添加剤入りとがある。

増粘剤 (thickner)

液体に分散または溶解させて粘度を増すのに用いられる薬剤。


摩擦剤 (antislipping agent)

摩擦抵抗を大にして滑り止めを目的とする薬剤。


疎水基 (hydrophobic group)

分子内の水に親和性を示さない部分。親油基と同じ。


疎水性 (hydrophoby, hydrophobic property)

水になじまない性質。


そ(梳)毛油 (worsted oil)

羊毛のそ毛紡績工程で摩擦調整、静電気防止のために用いられる油剤。


ソーピング (soaping)

染色または処理加工の最後の工程において、未染着染料や不要の加工剤を除去すること。

帯電防止剤 (antistatic agent)

プラスチック、繊維などの加工工程や使用時の帯電を防止するために用いられる薬剤。界面活性剤が主に用いられる。


台所用洗剤 (detergent for kitchen)

野菜、果物、食器および調理器具などの洗浄のために主として台所、調理室で用いられる洗剤。


多価アルコール (polyhydric alcohol)

同一分子内に水酸基を2個以上もつアルコール。グリセリン、ソルビトールなどはその代表例。


第4級アンモニウム塩 (quarternary ammonium salt)

アンモニウムイオンの4個の水素原子をすべてアルキル基で置換した構造を有する化合物。カチオン界面活性剤として用いられる。


脱脂剤 (degreasing agent)

金属などの表面に付着している油脂類を除去するための薬剤。


脱色助剤 (decoloring assistant)

染色されたものの脱色に用いられる酸化剤、還元剤などの脱色剤の効果を向上させる薬剤。


脱墨剤 (deinking agent)

印刷古紙(特に新聞紙)からインキを取り除き、再使用可能なパルプに戻す脱インキ工程で用いられる薬剤。

チャージソープ〔dry cleaning detergent(for charged system)〕

ドライクリーニングにおいて溶剤に添加して抱水性を付与し洗浄効果を高める薬剤。主として油溶性の界面活性剤が用いられる。


中性洗剤 (neutral detergent)

標準使用濃度で水素イオン濃度(pH値)が6.0以上8.0以下を示す中性の合成洗剤。


中和 (neutralization)

酸とアルカリが反応して塩を生成する反応。脂肪酸とアルカリによる石けん生成反応をいうこともある。

展着剤 (spreading agent)

植物の茎、葉や病害虫に農薬を均一に付着させ、その効果を十分に発揮させるために、乳剤、水和剤または液剤の希釈液に添加する補助剤。

動物油 (animal oil)

動物体から採取される油脂。陸産動物油と水産動物油に分類される。

内分泌(エンドクリン)かく乱物質 (endocrine disruptor)

人や野生生物のホルモン(内分泌)機能をかく乱する恐れのある化学物質。環境ホルモンともいわれている。アルキルフェノールがその一つに挙げられている。


なめし剤 (tanning agent)

動物の皮を革に変える性質をもつ薬剤。


軟水 (soft water)

カルシウム、マグネシウムなどの塩類の溶存量の少ない水。

乳化 (emulsification)

互いに溶解しない二液体の一方が微粒子となって他方の液体中に分散し、エマルションを生成する現象。


乳化剤 (emulsifier)

安定なエマルション生成に用いられる薬剤。


乳化重合 (emulsion polymerization)

乳化剤を用いて単量体を水中に分散させ、重合させる方法。


乳化破壊剤 (demulsifier, emulsion breaker)

エマルションを破壊して二液相に分離するために用いられる薬剤。

練り (degumming)

生糸を精練してセリシンを一部または全部除去する工程。


ねん(撚)糸油 (twisting oil)

ねん糸工程において糸の摩擦調整および静電防止のために用いられる油剤。

ノニオン界面活性剤 (nonionic surface active agent)

水中においてイオン解離しないで界面活性をもつ界面活性剤。非イオン界面活性剤ともいう。


のり(糊)抜き (desizing)

精練・染色の前に織物に付いているのりを除去すること。

バイオサーファクタント (biosurfactant)

動植物の生体内に存在する天然の界面活性剤および微生物の代謝によって生産される界面活性剤。


媒染助剤 (mordanting assistant)

媒染剤の作用を強化するために用いられる薬剤。


抜染助剤 (discharging assistant)

抜染剤(すず化合物など)の浸透および分解染料の溶出を容易にし、抜染を促進するために用いられる薬剤。


はっ(撥)水剤 (water repellent agent)

繊維表面に水をはじく性質を与える薬剤。


発泡剤 (foaming agent)

起泡剤と同じ。


破泡剤 (foam breaker)

生成した泡まつを消す作用のある薬剤。


反毛油 (rag oil)

反毛工程で適度のすべりを与え静電気の発生を防止するために用いられる油剤。


はっ(撥)油剤 (oil repellent agent)

繊維、紙などに油をはじく性質を付与する薬剤。主に有機ふっ素化合物が用いられ、同時にはっ水作用も示す。

非イオン界面活性剤 (nonionic surface active agent)

ノニオン界面活性剤と同じ。


PEG(ピーイージー) (polyethylene glycol)

ポリエチレングリコールと同じ。


引抜油 (drawing oil)

金属材を引抜き加工するとき、潤滑性を向上させる工具の摩擦を防ぎ製品の仕上げを美しくするために用いられる油剤。


ピッチコントロール剤 (pitch controller)

パルプの製造工程や抄紙工程で生じるピッチトラブルを軽減または抑制するために用いられる薬剤。


漂白助剤 (bleaching assistant)

漂白剤を繊維に均一に浸透させることによって漂白をむらなくさせるために用いられる薬剤。


表面張力 (surface tension)

液体の表面に作用する表面積をできるだけ小さくしようとする力。液体表面の単位面積当たりの自由エネルギーで表す。


ビルダー(洗浄剤用)〔builder (for detergents)〕

石けんや合成洗剤に添加してその洗浄作用を向上させるために用いられる物質。けい酸ソーダ、ゼオライトはその代表例。

フェルト洗浄剤 (felt cleaning agent)

抄紙工程において用いられるフェルトの汚れを落とすために用いられる洗浄剤。


複合石けん (complexed soap)

石けん以外の界面活性剤を配合した石けん。主としてカルシウム石けんの分散剤が配合されている。


腐食防止剤 (corrosion inhibitor)

金属表面に保護膜を形成し、金属が腐食性物質に侵されるのを防止するために用いられる添加剤。


浮遊選鉱 (ore floatation)

鉱石の細粉を水系サスペンションから気泡を用いて浮上させ、目的とする鉱石を他の鉱石と分離すること。


フラッシング剤 (flushing agent)

顔料製造工程において含水顔料に油性物質を加え顔料の油相への移行を促進させるための薬剤。


プロポキシル化 (propoxylation)

活性水素基をもつ化合物にプロピレンオキシドを反応させ、−(C3H6O)nHを導入する反応。


プロピレンオキシド (propylene oxide)

で表される化合物。プロピレンの直接酸化、または塩素化後アルカリ処理によって得られる。ノニオン界面活性剤の原料として用いられる。


分散性 (dispersibility)

界面活性剤の代表的な性能の一つで、分散系をつくる性質のこと。


分散剤 (dispersing agent, dispersant)

微粒子を液中に分散させて、安定な分散(懸濁)液を作るために用いられる薬剤。


粉末洗剤 (powdered detergent)

粉末状の洗剤。主として合成洗剤をいう。


分散 (dispersion)

一つの相の中に他の物質が微粒子状に散在する現象。

防汚剤 (stain-proofing agent)

織物などに汚れが付着するのを防止する薬剤。一度ついた汚れを落ちやすくする加工剤を含むこともある。


紡糸油 (spinning oil, spinning finish)

紡糸工程で糸に対し潤滑性、静電気防止性、均一な延伸性を与えるために用いられる薬剤。


紡糸浴添加剤 (spinning bath additive)

特に紡糸浴槽を清澄にし、紡糸ノズルが塞がれることを防ぐために用いられる薬剤。


防水剤 (water-proofing agent)

布などに水を通しにくくする加工に用いられる薬剤。


紡績油剤 (spinning oil)

紡績工程において繊維と繊維および繊維と金属の摩擦を調節し、静電気の発生を防止するために用いられる薬剤。


防曇剤 (anticlouding agent)

ガラスや高分子フィルムの表面で水蒸気が凝集し曇るのを防ぐ薬剤。


紡毛剤 (woolen oil)

羊毛の紡毛紡績工程で摩擦調整、静電気発生防止のために用いられる油剤。


捕集剤 (collector)

粒子表面を疎水化して気泡に付着しやすくし浮遊選鉱や古紙の脱インキ工程などに用いて目的とする鉱石粒子や脱離されたインキ粒子を捕集するための薬剤。


ボディソープ (body soap)

身体の汚れを落とし、清潔にするのに用いられる主として液体の洗浄剤。


ポリエチレングリコール (polyethylene glycol)

エチレンオキシドの開環重合で得られ、一般式HO(CH2CH2O)nHで表される線状ポリエーテルの総称。ノニオン界面活性剤の原料としても用いられる。

マーセル化助剤 (mercerizing assistant)

マーセル化のとき、濃厚なアルカリ液が繊維へ均一に浸透するのを促進するために用いられる薬剤。


マルセル石けん (marseilles soap)

繊維工業などに使われる石けん。オリーブ油を主原料としたフランスのマルセイユ地方で製造された石けんに由来している。

ミセル (micelle, micell)

界面活性剤溶液の一定濃度以上で現れる分子またはイオンの集合体。


ミセル形成 (micelle formation)

界面活性剤分子が溶液中で多数集まってミセルを作ること。

焼入れ油 (quenching oil)

金属材料を焼入れ処理するとき、冷却温度を調整して材料を均一に冷却することによって金属の焼き割れを防止するために用いられる油剤。水溶性のものと非水溶性のものとがある。


薬用石けん (medicated soap)

消毒、殺菌などの医療または衛生用に使うために殺菌剤を配合した石けん。

油性向上剤 (oiliness improver)

金属表面に吸着膜を形成することによって潤滑性能を向上させる添加剤。


油中水型 (Water-in-oil type, W/O type)

分散媒(連続相)が油で分散相が水であるエマルションの型。W/O型とも表す。

陽イオン界面活性剤 (cationic surface   active agent)

カチオン界面活性剤と同じ。


抑泡剤 (foam inhibitor, foam suppressor)

起泡作用を抑止する薬剤。


浴用石けん (bath soap)

入浴時に用いられる石けん。

ラテックス (latex)

ゴム植物の樹皮に切付をしたとき流れ出る、牛乳状の液体または乳化重合によって得られた高分子エマルション。


ランドリー (laundry)

布はくや衣類を洗濯すること。広義には洗濯一般を意味するが、狭義にはクリーニング業界での水を使う洗濯処理を意味する。

離型剤 (mo(u)ld release)

プラスチックやコンクリートの型離れをよくする薬剤。


硫酸化 (sulfation)

一般に有機化合物に硫酸基を導入する反応。特にアルコール性のOH基を硫酸でエステルにする反応。


硫酸化油 (sulfated oil)

脂肪油を硫酸化し、中和したものでアニオン界面活性剤の一種。


流出油処理剤 (oil spill dispersant)

海上や河川に流出した油類を乳化分散するための薬剤。油処理剤とも呼ばれる。


両性界面活性剤 (ampholytic(amphoteric)surface active agent)

同一分子内にカチオン活性基とアニオン活性基をもち、水中で条件によってアニオンまたはカチオン界面活性剤のいずれかの性質を示す界面活性剤。


流動点降下剤 (pour point depressant)

潤滑油、燃料油などが流動しうる最低の温度を降下させる薬剤。


臨界ミセル濃度 (critical micelle concentration(cmc))

界面活性剤溶液においてミセルの存在する最低の濃度。


リンス (hair rinse)

洗髪後の頭髪に柔軟性と平滑性を付与し、くしけずりやブラッシングを容易にさせるために用いられる処理剤。主にカチオン界面活性剤が配合される。


りん酸化 (phosphation)

−OHまたは−NHなどの基をもつ有機化合物から、りん酸エステルまたはりん酸アミドなどを生成する反応。

レシチン (lecithin)

ホスファジルコリン。もっとも典型的なグリセロりん脂質。りん脂質混合物の総称としても使われる。

ロート油 (turkey red oil)

ひまし油を硫酸化し中和したもので硫酸化油の一種。

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